前立腺がんはアメリカでは10年ほど前から男性のガンのなかで発生率第1位となっており、日本でも最近急激に患者数が増加しています。初期には全く症状がありませんので、大切なのは50歳以上の男性は一度PSA(前立腺がん腫瘍マーカー)の血液検査を受けることです。初期がん(前立腺の中にとどまっているがん)であれば完全に治すことが可能です。すべての病気にいえることですが早期発見早期治療が重要です。前立腺がんと前立腺肥大症は、前立腺の中で発症する場所が異なるまったく違った病気です。前立腺がんは前立腺の外腺(外側の組織)に、前立腺肥大症は内腺(内側の組織)にできる病気なので、前立腺肥大症から前立腺がんに進展するということは、まずありません。

  
*当院で始めて検査を受けられる方

「おなか」からの超音波検査で前立腺肥大症が無いかなどの検査を行い、同時にPSAの血液検査をします(一次検査)。再診時に結果が出ますので異常値(4.0以上)の場合や、正常値でも年齢や前立腺の大きさなどによって二次検査をお勧めする場合があります。

*住民検診やホームドクターからPSAの異常値を指摘された方

二次検査として以下の検査を行います。
@直腸診 肛門から指を入れて前立腺に硬い部分が無いかを調べます。
A経直腸超音波検査 肛門から細い超音波の器械をいれて画像診断を行います。

PSAが異常値の場合や、正常でも触診や超音波検査で異常が疑われる場合に前立腺の組織を特殊な針で採取し「がん」がないかを調べる検査です。 PSAは大きな前立腺肥大や前立腺の炎症でも上昇する場合があります。検査後はほとんど大きな合併症を起こすことが無いため当院では「日帰り」で生検を行っています。遠方の方やご高齢の方で入院を希望される場合でも協力医療機関での経過観察が可能です。(詳細は別ページをご覧ください。)

針生検でがんが見つかった場合、治療方針を決めるためにCT検査・骨シンチグラフィーなどで転移の検索を行い病期を決めます。

病期が決まったら治療方針を決めます。治療にはいろいろな種類があります。基本的に前立腺がんは進行がゆっくりで、ホルモン治療により進行を抑えることが可能ですので治療方法の決定に焦る必要はありません。
他院でがんが見つかった方の今後の治療方針に関するアドバイス(どこで、どのような治療を受けるべきか、など)も実証医学に基づいて行っています。
当院では以下のうち、HIFUおよびホルモン治療が可能です。当院でがんが見つかり、手術・放射線治療などが最も適していると考えられた場合には当該医療機関(大分赤十字病院など)にご紹介いたします。

○限局性(早期)前立腺がん (上図 病期A・B)
 
  ・手術で前立腺を取る方法 (開腹手術、腹腔鏡手術)
  ・前立腺を熱で焼く方法 (HIFU ハイフ: 高密度焦点式超音波治療) *保険適応外
  ・放射線治療 (放射性小線源留置 ;ブラキセラピー、体外からの放射線照射;IMRTなど)
  ・粒子線治療 *保険適応外
  ・薬による治療 (ホルモン治療)

○進行性前立腺がん (上図 病期C・D)

  ・薬による治療 (ホルモン治療、ステロイド治療)
  ・体外からの放射線治療